予防線

予防線が見えなくなるまでつづける

感想など2

最近の色々の感想。ネタバレなど有り。

凶悪/白石和彌

ピエール瀧怖いなー。あの巨躯を活かした役柄がとてもいい。そうだよ、ピエール瀧ってガタイの良い高身長じゃないか!!と見りゃ分かる当たり前なんだけど再認識した。普段の優しそうなイメージも、純粋な死生観や信心深さを後押ししていてとてもいい配役だと思う。

藤井(山田孝之)の正義感にも近いジャーナリズムっていうのは人間誰しもが持っているイヤ〜な面だと思います。(例えば、噂話や、凶悪事件の犯人の顔を見てやりたい!!などの醜悪な感情)

しかし僕等はやはり事件の当事者ではなく、身の回りで抱えている大小様々な問題の当事者なわけで、母親の介護問題のほうがよほど藤井にとっては当事者であるべきなんですよね。

木村(リリー・フランキー)が最後に言う、「あんたは被害者や、その遺族でも無い。けれど、俺を一番殺したいのは…(山田孝之を指差し、留置所側から山田孝之を撮って引いていく)」というシーンで終わりますが、まぁ〜嫌な終わり方ですね。この映画をきちんと見ていれば、視聴者は藤井の如く、きちんと裁かれるべきだ、さもなくば、俺がお前を殺す、という藤井側の人間になっているということですよね。

ノンフィクションサスペンスの着地点としては素晴らしいと思います。

R15だけどR18くらいの印象。

冷たい熱帯魚園子温

さてはこいつ、ローソク・電飾と、キリスト教モチーフと女が殴られるシーンが好きだな・・・??? 地獄でなぜ悪いヒミズに続き園子温作品三作目ですが、ある程度作風に慣れてきた。でも相変わらず観るのに力がいる。

なんかやりたいことが分からんでも無い気がしてきたなー。別にいいじゃん映画的表現で!!映画だし、映画でしかできないことなんだから!!といった具合だろうか。 やはり締めくくり方がなんとも好きではないのだけど。

こちらも凶悪に続き実話の事件をもとにした映画ですが、こっちのほうがフィクション感はある。リアルなのは事件のあった年の2009という数字だなー。そう遠くないだけにゾッとするものがある。*1

園子温が好きそうな女優顔って一つ基準が出来てきました。 大杉漣の出てる園子温作を勧められたので今度はそちらを観る。

WOOD JOB 神去なあなあ日常矢口史靖

氏の作品はハッピーフライトがとても好きなのですが、これも良かったです。 凶悪でのピエール瀧と同じく、伊藤英明は間違いなく山の男だ!!という身体性が物語る説得力がある。 おもむろに干してある優香の下着であったり、基礎体温表であったりが、妙に生々しいフェチズムを感じた。

本当に色々と細かい演出やズバリのタイム感で笑わせてくるコメディーとして傑作だと思います。

完全余談ですが、染谷将太の地元描写として川崎駅前〜京急川崎間が描かれるのだけど、以前ドンピシャでこの辺に住んでたのでちょっとアガった。

美女と野獣/ディズニー

エマ・ワトソン可愛すぎじゃね??(ネタバレ) 炎のゴブレット見返したくなった。

映像美は言わずもがな。シンデレラは青のドレスが筆舌に尽くしがたい綺麗さでしたが、ベルの黄色基調も見事です。

字幕で観たほうが良い気がします。野獣としての山崎育三郎はちょっと低音成分が足りなくないか?上手いけども。

ラ・ラ・ランドデイミアン・チャゼル

最高に趣味の悪い終わり方だな!!二度と観ない(褒め言葉)、と思ったのだけど、周囲では何回でも繰り返し見たい!!との声多数。

元恋人のLINEのアイコンが赤ちゃんの写真になっていた時の気分を彷彿とさせるような、日常生活に置き換えれば意外と有りがちな感情だと思うのですが、それを2時間かけて、夢追い人同士の恋という普遍的なテーマのもと、丁寧に丁寧に最高に描き切る。すると最低になる。最後のシーンが全て。 脳内で外山恒一が、「そんな未来は無ぁい!!!!スクラップアンドスクラップだ!!」と叫んでいた。

レビューを散々見てしまったのでアレなのですが、ミア擁護的な意見多くないか??俺は、「ミアてめぇ!!!」ってシーンが結構あったんだけど。

ミュージカルシーンは最初の曲を除き、歌唱力もダンスもカメラワークも微妙。何より曲がそこまで良くないのが残念(まぁここは好みですが)

どう考えても一番いい曲はstart a fireなんですが、それをちょっとジャズをかじったくらいのミアに叱咤されるという(まぁstart a fireはジャズじゃないからいいんだけど)。

「私も夢を追っているのだから、それがアナタの夢じゃないことくらいは分かる!!」

うーん。。ミア何なんだテメェ!!ポイント3点目ですね。

ソードアート・オンライン

今になってひっそりと視聴。現在10話目くらいだけど、ヲタクの考えるヲタクのための主人公とヒロインという感じ。完全なるヲタク永久機関

あまりにもこのヲタクドリーム的成分がキツすぎると一話で見れなくなってしまうのですが(エロマンガ先生とか厳しかった、、)それでも見れてしまうのは作画の良さや、あくまでゲームの中だからネ、という誤魔化しの部分が上手く出来ているからでしょうか。

一方でゲームの中だけど、死んだら終わりだぞ!!という緊迫感があまりに薄いシーンが多々有ったりと、微妙な部分ではあるのだけど…

もう少し現実の人間模様を描写すると悲惨さだとか、異常さ=緊迫感が生まれるような気もするけど(劇場版コナン、ベイカーストリートの亡霊的な演出とか)、今のところ一切そういうシーンがないのでむしろ現実に戻った時なんか起こるんじゃないかと期待している。 逆に2、3年経っているのに現実サイドから干渉が無いということに理由が付かなかったら2期は見れなそう、、

怒り、溺れるナイフヒメアノ〜ルなど、昨年の日本映画が周囲の評も良いのでその辺観たいです。 古典は後回し、、

*1:調べたら、元の事件は1993年でした。凶悪の元の事件は1999年〜ぐらい。